驚いたのが、しっかりした彼の一面。その段取りの良さでした。
もちろん、わたしが買ってきた雑誌で勉強したことも大きいとは思うのですが、ちゃんとお互いの両親のことを理解し、見てくれていたようです。 お酒から、料理のチョイスまで、それぞれの親を理解しているからこそ選んだもの。 それが、みんなに伝わっているようでした。 わたしも、お互いの両親も、彼のその心遣いに、感動しちゃいました。
そんな雰囲気で彼が話し始めたのです。 わたしたちが知り合った名古屋で結婚式を挙げたい、という気持ちと、結納なんて大げさなことをするより、結婚式にきてくれる人たちにおもてなしをしたい、という気持ち。
この、婚約食事会で、十分彼の気持ちが伝わってきたのですから、彼のご両親も反対意見を言えなかったようです。 そこに、わたしの父親が、彼らの納得行くようにさせてあげましょう、なんて言ってくれたので、最初の思い通りにことがすすんだのでした。
彼が選んだ、この名古屋のホテルも、彼のご両親はとても気に入ってくれたようで、ここで結婚式を挙げても良いんじゃないか、とまで言ってくれたのです。 両家の親からも祝福されているのも伝わってきましたし、何より、彼の頼りになる一面を見れたわたしは、感動のあまり、涙してしまったくらいです。
それから、記念撮影。 会場の人が準備してくれたアンティーク風の椅子に、わたしと彼が座り、後ろにお互いの両親が立っての撮影。 あとで見ても、みんないい笑顔だったんです。
心からの気持ちって、人に伝わるものなんですね。 結婚式そのものも、こんな風に、来てくれる人への気持ちを込めれば、きっと良いものになるに違いありません。 自分の好みや、見た目重視だと、お金ばかりかかって、おもてなしがあとまわしになっちゃいますものね。
彼から、教えてもらったようなものです。 ドレスも、最初から高いものを探すんじゃなく、似合うものを選べばよいんだし、小物なんかも持ち込めば、レンタルするより安くすみますよね。 来てくれる人たちは、たぶん、わたしのドレス姿が少し良くなるより、運ばれてくる料理がワンランク上がるほうが、正直、嬉しいかもしれませんしね。 嫌味でなく、そう感じたのでした。
わたしが買った結婚雑誌にも、安いプランとして、ガーデンウェディングや、レストランパーティなんかのプランも載っていたしたし、そこまでのプランでなくても、工夫次第で良い結婚式ができるはずです。 わたしも、彼に見習って、おもてなし中心で考えて行こうと思います。
彼が頼りなく見えたのは、きっとわたしの意見を尊重しようと、いつものあの優しい笑顔で、ただ見守ってくれていたのかもしれませんね。