結婚の報告をしてから1ヶ月。
詳しいことは、お互いの両親と話しあってはいないのですが、一度、両家で食事を、ということで、婚約食事会を行うことになりました。
これが。 会場の準備から、料理の手配まで、彼が全て段取りをしてくれたのでした。 あの、結婚雑誌を見てから、実はわたし、ちょっと弱気になっていたのです。 しかも。 彼のご両親から、わたしたちの考えを否定されたようにも感じていたし。
あこがれていた名古屋での結婚式すら、もうすでにあきらめていたのですから。 わたしたちの知り合った名古屋で、結婚式場を探そうと、あんなに張り切っていたのに。 彼との結婚そのものにも弱気になっていたのかもしれませんね。
そんなわたしを彼は怒るどころか、いつものように優しく微笑んで、見守ってくれていたのです。 当日の料理だけは、わたしと両親の好みを聞いてくれたのですが、それ以外は任せてくれ、と。
婚約記念品は、彼と相談して、彼は婚約指輪、わたしは彼へのスーツにしたので、これは週末のデートのときに一緒に選びました。 そのあとに準備した両家へのお土産も、彼が前日に会場へ届けてくれました。
そして、当日。 それまで、ちょっと気の抜けていたわたしも、朝から緊張してしまいました。 実家で、両親と服装を合わせ、彼の指定した会場へ。
待ち合わせたロビーには、すでに彼と彼のご両親が待っていました。 こんなところで、ごあいさつも失礼ですから、と彼に促されるまま個室へ移動。
入室するやいなや、彼が堂々と始まりの挨拶。 彼が、その流れで彼の両親を紹介してくれ、わたしも自分の両親の紹介をスムーズにすることができた。 それが終わると同時に運ばれてきたものが、ワインでした。 本来であれば、お酒かビールってところらしいのですが、この日の料理に合わせて彼が選んでくれたものでした。
実は、両家とも、お酒が大好きだったりするんですよね。 アルコールって、不思議ですよね。 最初は、明らかに緊張していたお互いの両親も、あっという間に打ち解けてしまったのです。
デザートが運ばれるまで、何を話題にしようか? なんて、誰ひとり、考えなかったんじゃないかと、思うくらい、会話が弾んだのでした。
その話題は、運ばれてきた料理のことや、地元の特産品、子育てについて苦労したことや、自分たちの思い出話まで。会話が弾むはずむ。
そして、婚約記念品の交換へ。 彼からは、一緒に選んだ婚約指輪。 わたしからは、ちょっと良いブランドもののスーツ。 結婚したら、みすぼらしくなった、と言われないように、彼に似合ったおしゃれなスーツ。